人工肘関節置換術

−最新のMIS: 最小侵襲手術−

人工肘関節とは


人工肘関節置換術は、痛みの原因となる擦り減りや変形を生じた関節表面を取り除いて、人工の肘関節(インプラント)に置き換える手術です。

 

インプラントは大きく上腕骨と尺骨の2つに分けられます。この2つは金属製ですが、蝶つがい部分の素材は、耐久性に優れた超高分子量ポリエチレンでできており、これが軟骨の代わりになります。

 

この人工肘関節によって関節の痛みを解消し、スムーズな肘関節運動を可能とすることで、正常な関節機能に近づけます。

 

※ 外部webサイトへリンク

当センターにおける人工肘関節置換術の特徴


当院では、関節治療センターとリウマチ・手外科センターが併設されており、専門性を要する人工肘関節治療に対応が可能です。

 

県内外の医療機関から紹介患者さんの受入れや、病診連携を通じた医療連携を推進しています。

【重度の肘外傷や難治性偽関節に伴い、人工肘関節の治療が提案された方へ】

 人工肘関節を用いた治療には、経験豊富な専門医による診断と手術が必要です。

  

 ▷▷▷出来る限り早急に対応いたしますので、「人工肘(ひじ)関節治療について」と病院代表より整形外科担当者(千田)までお問い合わせください。当院を受診の際、可能であれば診療情報提供書(紹介状)、お手持ちの画像データ(データCD、またはフィルム)をお持ちください。


本邦において、急増する人工股関節や膝関節手術と比較して、人工肘関節による治療はまだ限られた術者・施設でしか実施されていません。股関節や膝関節の人工関節治療では、MIS手技を取り入れる施設がかなり増加していますが、人工肘関節置換術ではまだ限られた施設でしか実施されていないのが実情です。

 

下記のWEBサイトにおいて、人工関節治療について当院 國府幸洋 副院長/ 整形外科部長のインタビューが掲載されました。

身体に負担の少ない

低侵襲治療(MIS)


当センターで行う人工肘関節置換術では原則として、筋肉等の組織を切離・切除しない最小侵襲手術(MIS)による人工関節治療を実施しています。手術後の痛みを最小限に抑えられるように、徹底した多角的疼痛管理を行っています。

 

対応関節:人工膝関節/ 人工股関節リバース型人工肩関節人工肘関節人工手関節/ 人工指関節に対応。

関節リウマチ治療に対応

−薬物治療から手術治療まで−


当院では、関節リウマチに伴う変形性肘関節症の方の薬物治療もサポートします。内科と連携し、従来の抗リウマチ薬に加え、最新の生物学的製剤やJAK阻害剤による治療も行っています。入院後も、前医で導入された関節リウマチ治療の継続が可能です。

 

手術後はかかりつけ医との病診連携も積極的に行っています。

 

多彩な職種によるチーム医療

−個別化医療との両立


進化を遂げる治療体系と多様化する価値観に対応するため、専門的知識を有する手外科専門医、日本リウマチ財団登録医・日本リウマチ財団登録看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、薬剤師など多職種による連携のとれたチーム医療を実現します。

 

当センターでは、患者さん個別の病状に応じて治療方法を検討し、最適な治療方法を提案します。


主な適応疾患


当センターでは人工関節を用いた治療を必要とする、多種多様な疾患に対応しています。

 

 関節変性疾患   変形性肘関節症、関節リウマチに伴う関節変形・関節破壊・強直肘など
外傷性疾患   上腕骨遠位端骨折、上腕骨通顆骨折、肘関節脱臼骨折(高齢、または粉砕型)など
その他   人工肘関節置換術後の弛み・摩耗・破損・感染、人工肘関節周囲骨折など

肘関節の痛みでお悩みの方は、専門医による診察を受けてください。

問診やレントゲン撮影、CT(3次元画像など)検査を行い、専門医が的確に診断します。

 

また、治療方針の決定にあたっては、最良の治療が行えるように患者さまと一緒に十分なインフォームドコンセント(説明と同意)を行います。

  【変形性肘関節症に対する人工肘関節置換術】

説明)変形性肘関節症において、薬物療法(消炎鎮痛剤の内服や鎮痛外用薬)で十分に痛みがコントロール出来ない場合や、変形に伴う可動域制限が強い場合、人工肘関節置換術による手術治療が有力な治療選択肢となります。

  【粉砕型・上腕骨遠位端骨折手術後の内固定破綻に対する人工肘関節置換術】

説明)高齢者や極度の骨粗鬆症患者では、上腕骨遠位端骨折の手術(観血的整復内固定術)後に内固定の破綻をきたす場合があります。ヒンジ機能付きの創外固定を併用する方法もありますが、骨癒合にかかる期間や複数回手術の身体的負担を考慮した場合、人工肘関節による治療方法が最も効果的、かつ円滑なリハビリテーションの進展が期待できます。

  【長期間が経過した難治性上腕骨遠位複合損傷(偽関節)に対する人工肘関節置換術】

説明)肘関節周辺の骨・関節外傷では、解剖学的整復と骨癒合に加え関節機能(関節の可動性)の回復が求められます。偽関節(骨が癒合しない状態)となった場合、骨移植や再手術(偽関節手術)を検討します。しかし、再手術により骨癒合が得られたとしても、肘関節の動きに制限(関節拘縮)が残りやすいため、さらに関節授動術を要することが少なくありません。

 

初回手術後、長期間が経過した難治性偽関節には、人工肘関節による治療が有力な治療選択肢となります。

担当医師からのメッセージ


肘が痛い、あるいは十分に動かない、十分に力が入らないといった症状が出てきた場合、生活する上で様々な支障が出てきます。

 

肘関節が十分に機能しない場合、例えば顔まで手が届かないと首に負担(※ 関節リウマチの方では、首への負担から頚椎の変形・亜脱臼の悪化などから脊髄麻痺を生じる場合があります。)がかかったり、肩を痛める原因になったりします。特に、両肘の痛みや動きが悪いと生活に不自由なだけでなく、介護無しで生活していくことが困難となります。

 

取り返しがつかないほど肘の病状が悪化してしまう前に、是非、専門医の診察を受けてご自身の状態を相談してください。 

 

関節治療センター(肘関節対応)  −外来診療担当医表−


時間/曜日

診察室

番号

午前 1 國府幸洋  ―  ― ―  國府幸洋

  國府幸洋

 9:00-12:00 2  ― ―  ―   ―
午後 1 國府幸洋 ―  ―  ― 
14:00-17:00  2 ―  ―  ―  ― 

※ 一部、事前予約制  ※ 土曜、午前:第1、3週のみ

※ 紹介状をお持ちの方は、予約無しでも受診いただけます。

当院、リウマチ・手外科センターでの治療に関するご紹介